古事記
基本情報
- 台帳ID: 201
- 管理対象ID: 574
- 種別: 書跡・典籍
- 国: 日本
- 時代: 南北朝
- 作者: 賢瑜
- 指定年月日: 1951年06月09日
- 都道府県: 愛知県
- 所在地: 愛知県
- 所有者名: 宝生院
出典: 国指定文化財等データベースより一部抜粋
概要
『古事記(賢瑜筆)』は、名古屋市の大須観音(宝生院)に伝わる、日本最古の歴史書『古事記』の写本です。南北朝時代の僧侶である賢瑜(けんゆ)によって書写されたもので、通称「真福寺本(しんぷくじぼん)」として知られています。現存する『古事記』の写本の中で最も古く、かつ全3巻が揃っている唯一の完本として、極めて高い史料的価値を有しています。
歴史的背景
『古事記』は和銅5年(712年)に完成しましたが、編纂当時の原本は失われています。本作は南北朝時代の応安4年(1371年)から応安5年(1372年)にかけて、真福寺(宝生院)の開山である信瑜の弟子、賢瑜が、師の収集した古い伝本を元にして一字一句忠実に書き写しました。南北朝の動乱期において、貴重な日本の古典を後世に残そうとした賢瑜の情熱と、それを守り抜いた宝生院の歴史が、現代にこの名品を伝えています。
特徴と魅力
本作の最大の魅力は、現存する『古事記』の諸本の中で最古の写本であるという点にあります。学術的・美術的に以下の特徴が挙げられます。
- 完本としての希少性: 上・中・下の全3巻が欠けることなく揃っており、内容の全容を把握できる貴重な写本です。
- 忠実な書写: 賢瑜は、元となった写本の形式や文字を極めて忠実に再現しており、奈良時代の原本に近い姿を今に伝えていると考えられています。
- 校訂の跡: 本文の傍らには、賢瑜による注釈や校訂の跡が見られ、当時の知識人がどのように『古事記』を読み解いていたかを知る手がかりとなります。
- 国語学的価値: 独特の漢字の使用法(万葉仮名など)や訓読の形が残されており、古代日本語の研究においても欠かすことのできない第一級の資料です。