金銀鍍龍首水瓶 (法隆寺献納)
基本情報
- 台帳ID: 201
- 管理対象ID: 536
- 種別: 工芸品
- 国: 中国
- 時代: 唐
- 指定年月日: 1964年05月26日
- 都道府県: 東京都
- 所在地: 東京国立博物館(東京都台東区上野公園13-9)
- 所有者名: 独立行政法人国立文化財機構(保管:東京国立博物館)
出典: 国指定文化財等データベースより一部抜粋
概要
「金銀鍍龍首水瓶(きんぎんととりゅうしゅすいびょう)」は、法隆寺から皇室へ献納された「法隆寺献納宝物」を代表する工芸品であり、現在は東京国立博物館に所蔵されています。7世紀の唐代中国で製作されたと推測される銅製金銀鍍(きんぎんと)の水瓶で、ササン朝ペルシャの様式を取り入れた国際色豊かな造形美を誇ります。
歴史的背景
本作は、シルクロードを経由してササン朝ペルシャの銀製容器(胡瓶)の形式が中国に伝わり、それがさらに日本へと運ばれた文化交流の歴史を象徴する遺品です。法隆寺では古来より聖徳太子ゆかりの宝物として「龍頭水瓶」の名で大切に伝承されてきました。1878年(明治11年)に法隆寺から皇室へ献納された約300件の宝物の一つであり、東アジアにおける初期金属工芸の到達点を示すものとして1964年に国宝に指定されました。
特徴と魅力
- 龍首の意匠: 最大の特徴は蓋の部分にあり、力強い龍の頭部が精巧に表現されています。龍は口に「宝珠」を咥えており、その口が注ぎ口となる独創的な設計です。龍の角は後方に伸びて把手(持ち手)へと繋がっています。
- 胡瓶形式の造形: 本体は優美な曲線を描く胴高の形状をしており、これは西方のササン朝ペルシャの影響を受けた「胡瓶(こへい)」と呼ばれるスタイルです。
- 金銀のコントラスト: 銅製の表面に金鍍金(金メッキ)と銀鍍金(銀メッキ)が施されています。全体を銀色で仕上げつつ、龍の頭部、把手、胴体の一部に金を配することで、華やかさと品格を両立させています。
- 有翼馬の装飾: 胴身には「蹴彫(けりぼり)」という技法によって、翼を広げて疾走する4体の「有翼馬」が繊細に刻まれています。周囲をパルメット文が囲む構成は、東西文化の融合を今に伝えています。