厳島神社 本社本殿、幣殿、拝殿
基本情報
- 台帳ID: 102
- 管理対象ID: 3164
- 種別: 建造物
- 国: 日本
- 時代: 室町後期
- 指定年月日: 1899年04月05日
- 都道府県: 広島県
- 所在地: 広島県廿日市市宮島町
- 所有者名: 厳島神社
出典: 国指定文化財等データベースより一部抜粋
概要
厳島神社は広島県宮島(厳島)に鎮座する全国厳島神社の総本社です。海上に建つ独創的な配置と、平安時代の寝殿造りの意匠を社殿構成に取り入れた類まれな建築様式で知られ、1996年には世界文化遺産にも登録されました。国宝に指定されている「本社本殿、幣殿、拝殿」は、その中心を成す極めて重要な社殿群であり、海との調和を果たした建築美の極致とされています。
歴史的背景
厳島神社の創建は、推古天皇元年(593年)に地元の有力者であった佐伯鞍職(さえきのくらもと)によってなされたと伝えられています。平安時代末期には平清盛が深く信仰し、仁安3年(1168年)頃に壮麗な社殿を造営したことで、現在のような大規模な社殿群の基礎が築かれました。現在の「本社本殿、幣殿、拝殿」は、室町時代後期の元亀2年(1571年)、毛利元就の多大な援助によって再建されたものです。平清盛が定めた平安様式を忠実に踏襲しながら、随所に室町時代の優れた建築技術が融合した貴重な遺構となっています。
特徴と魅力
本殿・幣殿・拝殿は、それぞれ独立した建物でありながら屋根を連結させることで、一体となった優美な構造を作り出しています。
- 建築構造: 本殿は、正面と背面の両方に長く流れる「両流造(りょうながれづくり)」という大規模かつ特殊な形式を採用しています。宗像三女神を祀る「本殿」、奉納品を供える「幣殿」、参拝者が拝礼する「拝殿」が連なり、屋根はいずれも気品ある「檜皮葺(ひわだぶき)」で仕上げられています。
- 高度な建築技術: 潮の満ち引きがある海上に建てるという過酷な条件下で、柱を腐食から守る工夫や、高潮の圧力を逃がすために床板の間に隙間を設けた「目空き(めあき)」の構造など、当時の知恵と技術が凝縮されています。
- 色彩と景観の美: 背後の弥山の緑、社殿の鮮やかな朱色、そして瀬戸内海の青色の対比が圧倒的な美しさを誇ります。特に満潮時に社殿が海に浮かぶ姿は幻想的であり、自然と建築が一体化した極楽浄土を思わせる景観を生み出しています。
- 歴史的価値: 平氏、足利氏、毛利氏、豊臣氏、徳川氏といった歴代の権力者の保護を受け、室町時代の再建でありながら平安の雅を今に伝える、日本建築史上唯一無二の存在です。