木造釈迦如来及両脇侍坐像(上堂安置)

基本情報

  • 台帳ID: 201
  • 管理対象ID: 237
  • 種別: 彫刻
  • : 日本
  • 時代: 平安
  • 指定年月日: 1953年03月31日
  • 都道府県: 奈良県
  • 所在地: 奈良県
  • 所有者名: 法隆寺

出典: 国指定文化財等データベースより一部抜粋

概要

奈良県斑鳩町の法隆寺、西院伽藍の北側に位置する「上堂(上御堂:かみのみどう)」に安置されている、平安時代の木造彫刻です。本尊である釈迦如来坐像を中心に、その両脇に脇侍像(文殊菩薩・普賢菩薩)を配した三尊形式の像で、平安時代中期を代表する優れた仏教美術として国宝に指定されています。通常は非公開ですが、毎年11月1日から3日にかけて特別開扉されます。

歴史的背景

法隆寺は聖徳太子ゆかりの寺院として飛鳥時代の文化を色濃く残していますが、この釈迦三尊像が作られたのは平安時代です。10世紀後半(平安時代中期)は、それまでの力強い大陸風の造形から、日本独自の穏やかな美意識が仏像彫刻に反映され始めた時期にあたります。上堂(上御堂)は、もともと西院伽藍の大講堂のさらに北側の高台に位置し、天武天皇の皇子・舎人親王の建立とも伝えられますが、現在の像は10世紀の火災後の再興時に造立されたと考えられています。この三尊像は、飛鳥時代の様式とは異なる、平安時代特有の洗練された表現技法への変遷を示す極めて重要な遺例です。

特徴と魅力

この三尊像の魅力は、平安時代中期ならではの温和な表情と、均整の取れた美しいプロポーションにあります。

  • 温和な表情: 飛鳥時代の仏像に見られる厳格な古拙微笑(アルカイックスマイル)や、平安初期の神秘性・威圧感とは対照的に、見る者を優しく包み込むような、慈悲深く人間味のある表情が特徴です。
  • 一木造の技法: ヒノキ材を用いた一木造(あるいは割矧造)で造られており、重厚な質感を保ちつつも、流麗な衣の文様や繊細な肉身の造形が施されています。当時の高度な木彫技術の到達点を示しています。
  • 三尊の調和: 中央の釈迦如来と、左右で寄り添う脇侍像(文殊・普賢菩薩)が一体となって作り出す空間構成は、仏教界の理想的な安らぎを具現化しています。
  • 和様化の先駆け: 彫り口が比較的浅く、優美な曲線を描く造形は、11世紀に完成される定朝様式(平等院鳳凰堂の本尊など)へと繋がる、日本独自の「和様彫刻」の成立過程における傑作といえます。

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木造釈迦如来及両脇侍坐像(上堂安置)

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