木造弥勒菩薩半跏像

基本情報

  • 台帳ID: 201
  • 管理対象ID: 163
  • 種別: 彫刻
  • : 日本
  • 時代: 飛鳥
  • 指定年月日: 1951年06月09日
  • 都道府県: 京都府
  • 所在地: 京都府京都市右京区太秦蜂岡町32
  • 所有者名: 広隆寺

出典: 国指定文化財等データベースより一部抜粋

概要

京都・広隆寺の霊宝殿に安置されている「木造弥勒菩薩半跏像」は、飛鳥時代を代表する仏像彫刻の一つであり、1951年に日本で最初に国宝に指定された文化財(彫刻部門の登録番号1番)として広く知られています。右足を左膝の上にのせ、右手の指先を頬に軽く添えて深い思索にふける「半跏思惟(はんかしゆい)」の姿が非常に美しく、その穏やかで慈愛に満ちた微笑みは「東洋のモナ・リザ」とも称えられています。広隆寺にあるもう一台の半跏像(泣き弥勒)と区別し、頭上に宝冠を戴くことから「宝冠弥勒」とも呼ばれます。

歴史的背景

本像は飛鳥時代の7世紀初頭、『日本書紀』によれば推古天皇11年(603年)に聖徳太子から仏像を授かった秦河勝(はたのかわかつ)が、それを本尊として安置するために建立した広隆寺の創建に関わる重要な像です。この時代は朝鮮半島から仏教とともに多くの技術や文化が伝来した時期であり、本像の様式も朝鮮半島の新羅(しらぎ)から伝わったもの、あるいは強い影響を受けたものと考えられています。当時、仏教が日本に根付き始めたばかりの時期に、未来の救世主である弥勒菩薩への信仰を象徴する存在として制作されました。

特徴と魅力

  • 究極の思惟美: 「どのようにして人々を救うべきか」を静かに思索する姿が、しなやかな体躯と流麗な衣文の表現によって見事に具現化されています。
  • アルカイック・スマイル: わずかに口角を上げた優しく神秘的な表情は、見る者に深い安らぎと感動を与えます。この微笑みは飛鳥時代の仏像特有の表現です。
  • 赤松の一木造り: 日本の仏像はヒノキやクスノキを用いることが多いですが、本像はアカマツの一材から彫り出されています。アカマツを材とする点は当時の朝鮮半島の作例と共通しており、韓国の金銅弥勒菩薩半跏像との様式的な類似性とあわせて、渡来説や朝鮮半島の影響を裏付ける貴重な特徴です。
  • 国宝第1号の格式: 1951年(昭和26年)の文化財保護法施行後、彫刻部門で最初に国宝指定を受けた、日本美術史上最高傑作の一つに数えられる名品です。

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