建造物

東大寺転害門

奈良時代
東大寺

概要

東大寺転害門(てがいもん)は、奈良県奈良市の東大寺にある、奈良時代(8世紀)の建立当時の姿を今に伝える極めて貴重な建造物です。東大寺の北西に位置し、度重なる戦火を奇跡的に免れたことで、東大寺創建当時の建築様式を直接知ることができる唯一の門として、歴史・建築史の両面で極めて高い価値を有しています。

歴史的背景

東大寺の伽藍の多くは、治承の軍火(1180年)や永禄の兵火(1567年)といった戦乱によって大部分が焼失してしまいました。しかし、この転害門はそれらの災厄を免れ、1200年以上の歳月を超えて現存しています。天平勝宝元年(749年)、宇佐八幡宮より勧請された八幡神が東大寺に入御する際、この門を通ったという伝承から、東大寺の鎮守である手向山八幡宮の重要な門(別名:八幡門)とされてきました。かつての「佐保路」に面しており、天平時代の壮大な伽藍の面影を今に伝える数少ない遺構の一つです。

特徴と魅力

東大寺転害門は、天平文化の力強さと精緻な技術が融合した建築物であり、以下のような特徴と魅力があります。

  • 三間一戸八脚門の構造: 切妻造、本瓦葺きの形式で、8本の控え柱を持つ大規模な八脚門です。基本構造は奈良時代のものですが、鎌倉時代の重源による修理の際、一部に大仏様(だいぶつよう)の技法が取り入れられています。力強い虹梁(こうりょう)や古式の蟇股(かえるまた)には、天平文化の安定感と堂々とした風格が漂っています。
  • 東大寺唯一の創建時遺構: 巨大な寺院であった東大寺において、創建当時の枠組みを留める唯一の門であり、当時の高度な木造建築技術を現代に伝えています。
  • 伝統行事の舞台: 毎年10月5日には、東大寺の鎮守である手向山八幡宮の例祭「転害会(てがいえ)」が行われ、今なお地域の信仰と伝統が息づく場所となっています。
  • 歴史的景観の形成: 門の周辺を流れる川や古い土塀とともに、古都奈良の閑静な佇まいを象徴する景観を形成しており、その歴史的・文化的価値から1952年に国宝に指定されました。

出典: 国指定文化財等データベースより一部抜粋

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東大寺転害門

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