肥前国風土記

基本情報

  • 台帳ID: 201
  • 管理対象ID: 728
  • 種別: 書跡・典籍
  • : 日本
  • 時代: 平安
  • 指定年月日: 1955年02月02日
  • 都道府県: 香川県
  • 所在地: 香川県
  • 所有者名: 個人

出典: 国指定文化財等データベースより一部抜粋

概要

『肥前国風土記(ひぜんのくにふどき)』は、奈良時代に編纂された各国の地理、産物、伝説などを記した報告書(風土記)の一つです。本項の国宝指定物件は、平安時代に写された写本であり、現存する数少ない風土記の中でも極めて重要な史料です。肥前国(現在の佐賀県、長崎県)の様子を今に伝える貴重な文化財として知られています。香川県の藤川家に伝来したことから「藤川本」とも呼ばれます。

歴史的背景

和銅6年(713年)、元明天皇の詔(みことのり)により、諸国に対して地名の由来、産物、肥沃の状態、古老の伝承などを記録して提出することが命じられました。これが風土記の始まりです。当時、多くの国で風土記が作られましたが、現在までまとまった形で残っているのは、出雲、常陸、播磨、豊後、そしてこの肥前のわずか5か国分のみです。本品は平安時代に書写されたもので、当時の原本の内容を要約した「略本」の系統を汲んでいますが、当時の書風や記録の保存状態を示す貴重な現存例です。

特徴と魅力

『肥前国風土記』は、その記述内容と写本としての精緻さの両面において高い価値を有しています。

  • 古代九州の貴重な記録: 肥前国の各郡(佐嘉郡、小城郡など)における地名の由来や、松浦の海産物、温泉(武雄・嬉野など)の発見伝承など、当時の生活や自然環境が詳細に記されています。
  • 伝承と伝説の宝庫: 景行天皇の九州巡幸に伴う伝説が多く含まれており、天皇による地名命名の由来などを通じて、古代王権と地方の関係性を知る上で欠かせない資料です。
  • 平安写本の書跡的価値: 平安時代末期の書風を伝える写本として、文字の美しさや保存状態も国宝にふさわしい質を備えています。料紙には良質な楮紙が用いられています。
  • 体系的な叙述: 他の逸文(断片的に伝わる文章)のみの風土記と異なり、一国の地理的・歴史的情報が体系的に残されているため、古代の地方統治の在り方を知る上でも一級の史料となっています。

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