金銅獅子唐草文鉢

基本情報

  • 台帳ID: 201
  • 管理対象ID: 461
  • 種別: 工芸品
  • : 日本
  • 時代: 奈良時代
  • 指定年月日: 1955年02月02日
  • 都道府県: 岐阜県
  • 所在地: 岐阜県
  • 所有者名: 護国之寺

出典: 国指定文化財等データベースより一部抜粋

概要

金銅獅子唐草文鉢(こんどうししからくさもんぱち)は、岐阜県岐阜市の護国之寺に伝わる、奈良時代の優れた金工工芸品です。銅製に金メッキを施した「金銅」製の鉢で、その表面には精緻な獅子や唐草文様が刻まれています。聖武天皇が勅願寺として開創した護国之寺の至宝であり、天平文化の息吹を今に伝える貴重な遺品として国宝に指定されています。

歴史的背景

本品が制作された奈良時代(天平時代)は、仏教を基盤とした国家建設が進められた時期であり、唐(中国)からの文化流入が盛んでした。この鉢は、聖武天皇が東大寺の大仏建立に際し、各地に建立させた寺院の一つである護国之寺に伝わったものです。当時の高度な金属加工技術と、大陸由来の意匠が日本独自の感性と融合し始めた時期の背景を色濃く反映しています。

特徴と魅力

この文化財の最大の特徴は、その緻密な装飾技法と、1,200年以上を経ても失われない気品にあります。

  • 高度な彫金技術: 鉢の表面には、蹴り彫り(けりぼり)や魚々子(ななこ)地といった高度な技法を駆使して、生き生きとした獅子の姿と、優美に広がる唐草文様が描かれています。
  • 大陸的な意匠: 獅子と唐草の組み合わせは、シルクロードを経て伝わった西域や唐の影響を強く感じさせ、当時の国際的な文化交流の証となっています。
  • 造形美: 全体のフォルムは調和が取れており、金属でありながら柔らかさを感じさせる曲線美を持っています。
  • 希少性: 奈良時代の金工品で、これほど保存状態が良く、かつ意匠が優れたものは極めて稀であり、天平工芸の最高峰の一つとして高く評価されています。