太刀 銘 来国光 嘉暦二年二月日
基本情報
- 台帳ID: 201
- 管理対象ID: 352
- 種別: 工芸品
- 国: 日本
- 時代: 鎌倉時代
- 指定年月日: 1952年11月22日
- 都道府県: 東京都
- 所在地: 東京都台東区上野公園13-9 東京国立博物館
- 所有者名: 独立行政法人国立文化財機構
出典: 国指定文化財等データベースより一部抜粋
概要
鎌倉時代末期に山城国(現在の京都府)で活躍した名工、来国光(らいくにみつ)の手による太刀です。銘には「嘉暦二年二月日」という具体的な制作年(西暦1327年)が刻まれており、来国光の作風の変遷や当時の日本刀製作の技術水準を知る上で極めて重要な基準作となっています。洗練された優美な姿と、緻密で美しい地鉄(じがね)、華やかな刃文(はもん)が調和した、山城伝の最高峰を示す一振りです。
歴史的背景
来派(らいは)は鎌倉時代中期から南北朝時代にかけて京都で繁栄した刀工集団です。来国光は、同派の名工として名高い来国俊の子、あるいは弟子と伝えられ、来派の中でも最も作域が広く、技量に優れた人物の一人として知られています。本作が制作された嘉暦二年は、鎌倉幕府の終焉が近づき、南北朝の動乱へと向かう社会的な過渡期にあたります。この時代、刀剣は武士の魂として実用性と美術性の双方が極限まで追求されました。本作はそうした時代の空気感を纏いながら、京の洗練された文化を反映した傑作として今日まで伝えられてきました。
特徴と魅力
この太刀は、来派特有の気品に満ちた美しさと、国光ならではの力強さが同居している点が大きな魅力です。
- 優美な太刀姿: 腰反りが深く、先反りがつく鎌倉時代後期らしい優雅なフォルムを保っています。
- 極上の地鉄: 小板目(こいため)肌が細かく詰み、地沸(じにえ)が微細に付いた地鉄は、澄み渡るような透明感と輝きを放ちます。
- 華麗な刃文: 直刃(すぐは)を基調としつつも、小乱(こみだれ)や足、葉(よう)といった繊細な働きが複雑に混じり合い、見る角度によって多彩な表情を見せます。
- 歴史的価値の高い年紀銘: 茎(なかご)に「嘉暦二年二月日」とはっきりと制作時期が刻まれていることは、美術的価値のみならず、刀剣史研究における学術的な価値を不動のものにしています。