刀 金象嵌 銘 城和泉守所持正宗磨上本阿(花押)

基本情報

  • 台帳ID: 201
  • 管理対象ID: 308
  • 種別: 工芸品
  • : 日本
  • 時代: 鎌倉時代
  • 指定年月日: 1951年06月09日
  • 都道府県: 東京都
  • 所在地: 東京国立博物館(東京都台東区上野公園13-9)
  • 所有者名: 独立行政法人国立文化財機構(東京国立博物館保管)

出典: 国指定文化財等データベースより一部抜粋

概要

本刀は、日本刀の歴史において最も高名な刀工の一人である相州正宗(そうしゅうまさむね)の手による傑作です。「城和泉正宗(じょういずみまさむね)」の通称で知られ、かつて戦国武将の城和泉守景茂が所持し、徳川家康の手を経て将軍家に伝わった由緒正しき名刀です。正宗の真作であることを示す本阿弥家の金象嵌銘が施されており、美術的・歴史的に極めて高い価値を有しています。

歴史的背景

鎌倉時代末期、相模国(現在の神奈川県)では「相州伝」と呼ばれる新しい作刀スタイルが確立されました。その完成者とされる正宗は、当時の元寇という国難を経て、より強靭で実戦的な刀剣を追求しました。本刀は当初、非常に長い大太刀でしたが、後の時代の戦闘形態の変化に合わせて短く切り詰められ(大磨上)、現在の姿となりました。

安土桃山時代、鑑定の権威である本阿弥光徳によって正宗の真作と鑑定され、その証として金象嵌銘が施されました。武田家・北条家に仕え、後に徳川家康の家臣となった城和泉守景茂が所持したことからこの名があります。後に徳川家康に献上され、一度は功臣の水野勝成に下賜されましたが、再び二代将軍徳川秀忠へと献上されました。以後、江戸幕府においては将軍家の家宝として代々大切に継承されてきました。

特徴と魅力

本刀は、正宗の卓越した技術と相州伝の美学が凝縮された一振りです。

  • 金象嵌銘(きんぞうがんめい): 元来は無銘でしたが、本阿弥光徳によって正宗の真作と認められ、茎に「正宗」の名と所持者「城和泉守」の名、そして本阿弥家の花押が金象嵌で刻まれています。
  • 沸(にえ)の美: 刃文や地鉄に、肉眼で確認できるほど大きな鉄の結晶である「沸」が強く現れており、力強くも幻想的な輝きを放っています。
  • 地鉄と刃文: 板目肌がよく練れた地鉄に、ゆったりとした波のような「湾れ(のたれ)」を基調とした刃文が美しく調和し、深みのある優雅な景観を作り出しています。
  • 実用性と芸術性の両立: 「折れず、曲がらず、よく切れる」という実戦的な機能美を極めつつ、工芸品としての圧倒的な品格を兼ね備えています。

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刀 金象嵌 銘 城和泉守所持正宗磨上本阿(花押)

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