木造普賢菩薩騎象像

基本情報

  • 台帳ID: 201
  • 管理対象ID: 276
  • 種別: 彫刻
  • : 日本
  • 時代: 平安
  • 指定年月日: 1967年06月15日
  • 都道府県: 東京都
  • 所在地: 東京都港区(大倉集古館蔵)
  • 所有者名: 公益財団法人大倉文化財団

出典: 国指定文化財等データベースより一部抜粋

概要

木造普賢菩薩騎象像(もくぞうふげんぼさつきぞうぞう)は、平安時代後期に制作された仏像彫刻の傑作です。法華経の守護神として信仰される普賢菩薩が、六牙の白い象に乗った姿で表されています。現在は東京都港区の大倉集古館に所蔵されており、平安貴族の美意識を反映した優美な作風が特徴です。

歴史的背景

平安時代後期、貴族社会を中心に法華経信仰が盛んになりました。法華経の終章である「普賢菩薩勧発品」において、普賢菩薩は東方から白い象に乗って現れ、法華経を信じる者を守護すると説かれています。この教えに基づき、特に女性の救済を説く面があることから、宮廷の女性たちの間で普賢菩薩への信仰が深まり、こうした優美な菩薩像が多く制作されました。

特徴と魅力

本像は平安時代後期の「和様」彫刻の到達点を示すものであり、以下のような美術的・歴史的特徴を備えています。

  • 優美な造形: 菩薩の顔立ちは穏やかで慈悲深く、定朝様(じょうちょうよう)の流れを汲む円満な表情が、当時の貴族好みの端麗な美しさを体現しています。
  • 繊細な彩色と截金: 衣には繊細な彩色や截金(きりかね)細工が施されており、平安後期の工芸技術の粋を集めた装飾美が見どころです。
  • 象の表現: 菩薩を乗せる六牙の白象は、動物的な写実性と仏教的な神聖さが調和した独特の造形美を持っており、像全体の安定感と気品を支えています。
  • 定朝様式の継承: 仏師・定朝によって完成された、寄木造りの技法と調和のとれた比例構成が見事に受け継がれており、彫刻史的にも極めて高い価値を有しています。